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価格動向

PC・サーバー用DRAM価格が四半期で2倍に ― 3月調達計画の緊急見直しが必要

RAMEXperts™️ 編集部

「今期のPC・サーバー増設予算、本当にそのままで大丈夫ですか?」

2月16日現在、世界的なメモリ不足が企業のIT調達に深刻な影響を与えており、DRAM契約価格が前四半期比90-95%上昇するという異常事態が発生しています。特にPC DRAM契約価格は105-110%の上昇が予測され、実質的に価格が2倍になる計算です。

なぜ今、メモリ価格が急騰しているのか

価格急騰の根本原因は、Samsung Electronics、SK Hynix、Micron Technologyの3大メモリメーカーが、限られたクリーンルームスペースと設備投資をより高利益率の企業向けコンポーネントに振り向けていることにあります。

OpenAIのStargateプロジェクト単体で全世界のDRAM生産量の約40%、月間約90万枚のウェーハーを消費する契約を締結したことで、一般企業向けメモリの供給が極度に逼迫しています。これはゼロサムゲームです。NvidiaのGPU向けHBMスタックに割り当てられるウェーハー1枚は、中級スマートフォンのLPDDR5XモジュールやコンシューマーノートパソコンのSSDから奪われることを意味します

情シス部門への具体的インパクト

調達コストの急激な増加

SamsungはDDR5 32GBモジュールの価格を9月の149ドルから239ドルに引き上げ、60%の値上げを実施しました。市場レポートでは、DRAM契約価格が1年間で100%以上上昇し、一部セグメントでは150%以上の成長を記録しています。

エンタープライズデータセンターで広く使用されているDDR5 64GB RDIMMモジュールは、2026年末までに2025年初頭の2倍のコストになる可能性があります。

調達リードタイムの延長

Samsung、HP、Lenovoなどのティア1 PC OEMでさえ、メモリサプライヤーからの確保済み割り当てがあるにも関わらず、在庫レベルが低下している状況です。SK Hynixは10月の決算説明会で、2026年のHBM、DRAM、NANDの生産能力が「本質的に完売状態」であることを報告しました。

製品仕様の見直し圧迫

最も影響を受けるのは低価格スマートフォン市場で、ベースモデルは2026年に4GBに戻る可能性があります。企業向けでもDRAMは ノートパソコンやデスクトップの部品表(BOM)の重要な部分を占めるため、四半期ごとの急激な価格上昇は、OEMが小売価格を引き上げ、仕様を調整、またはプロモーション活動を削減しない限り、マージンを圧迫します。

競合他社の対応状況

Lenovo CFOのWinston Cheng氏は価格急騰を「前例のない」と表現し、同社のメモリ在庫が通常レベルの約50%増で価格上昇に備えていることを明かしました。Lenovoは2026年末までに製造予定のすべてのマシンを供給するためにDRAMおよびNANDコンポーネントの備蓄を行っており、競合のAcerは通常の卸売業者を迂回してサムスンの工場から直接部品を購入する代表団を派遣している状況です。

一方で、Apple Inc.は2026年第1四半期までのDRAM長期供給契約を確保しており、競合他社よりも影響が少ないとされています。

回復時期の見通し

残念ながら回復は当分期待できません。新しいDRAM製造施設の建設には2-3年のタイムラインと100-200億ドルの資本投資が必要で、今日発表された新しい生産能力は2027年以降まで運用開始されません

アナリストによると、DRAM部品価格は2027年半ばまで安定化する見込みは低いとされており、最良のシナリオでも2026年後期または2027年の価格安定化で、2024-2025年レベルまでの価格下落ではないという厳しい現実があります。

情シスが今すぐ検討すべき3つのアクション

1. 緊急調達計画の策定(今月末まで)

  • Lenovoなど主要ベンダーは2月25日以降の注文について価格改定を実施予定のため、3月調達分の前倒し発注を検討
  • 2026年度予算の15-20%上方修正を前提とした稟議書の準備
  • 経営陣への緊急報告と追加予算確保の調整

2. 調達戦略の抜本的見直し(3月中)

  • ユーザーとワークロード(フロントライン、ナレッジワーカー、パワーユーザー)でセグメンテーションを行い、ビジネスクリティカルな役割とシステム向けに高メモリ構成を保護し、フリート全体とサーバー資産で承認されたメモリ構成の数を制限
  • 60万5,000品の取扱実績を持つRAMEXperts™️のような専門調達パートナーとの連携検討
  • 在庫の戦略的積み増し:特に高故障率や高緊急度コンポーネント(スペア、高回転SKU)について、すべてを過剰在庫するのではなく、重要サービスとピーク展開期間をカバーすることに焦点

3. 代替アーキテクチャの検討(4月以降)

  • クラウド移行の加速:サーバーレスコンピューティング、エッジ展開、最適化されたキャッシング戦略により30-60%のメモリ消費削減が可能
  • 仮想化密度の見直しとメモリ効率化
  • リフレッシュサイクルの延長とメンテナンス契約の拡張

この歴史的なメモリ不足は、調達を取引的機能として扱うことで、供給が逼迫した際にチームが晒されるリスクを浮き彫りにしています。今こそアーキテクチャ、リフレッシュ戦略、調達モデルを再考し、将来の不足による影響を大幅に軽減する時です。