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DDR4メモリ生産終了が2026年第1四半期に迫る ― 企業の情シス部門は年内調達計画の見直しが必要

RAMEXperts™️ 編集部

複数の主要メモリメーカーが2026年のDDR4生産終了に向けて準備しており、Samsung、SK hynix、Micronが2025年末から2026年初頭にかけてDDR4出荷を停止する予定となっている。企業顧客が2026年にDDR4調達を急ぐ中、第1四半期の価格は最大50%上昇の見込みで、調達タイミングと在庫戦略の見直しが急務となっている。情シス担当者は現在稼働中のDDR4搭載システムの把握と、代替品への移行計画策定を早急に検討する必要がある。

主要メーカーのDDR4生産終了スケジュール

Commercial Timesの報告によると、Samsung、SK hynix、Micronは2025年末から2026年初頭にかけてDDR4出荷を終了予定で、SK hynixは2025年10月に受注停止、2026年4月に出荷完了を計画している。MicronはDDR4およびLPDDR4の公式EOL(製品終了)通知を発行済みで、出荷は2〜3ヶ月以内に停止、生産は2026年第1四半期後に終了予定との情報もある。

Samsungは既存の大口サーバー顧客との「キャンセル不可・返品不可(NCNR)」契約のため2026年までDDR4生産を延長しているが、これは一般市場向けではなく調達難は継続する見通しだ。

価格急騰の実態と2026年予測

メモリ価格の上昇トレンドは既に顕著に現れている。TechPowerUpによると、8Gbおよび16Gb DDR4モジュールのスポット価格は5月以降約50%急騰しており、2025年第4四半期にメモリ価格が50%上昇し、DDR4は2026年第1四半期に最大50%の価格上昇が予想される

TrendForceの最新予測では、従来型DRAM契約価格が当初予想の前四半期比55-60%増から90-95%増へと大幅上方修正されており、消費者向けDDR4契約価格は第3四半期に40-45%上昇の見込みとなっている。

AI需要による供給制約の構造化

DRAM製造業者は先進プロセスノードと新規生産能力をサーバーDRAMとHBM(高帯域幅メモリ)に振り向けており、これにより他の用途への供給が大幅に制限されている。HBM製造は標準DDR5の3倍のウェハー容量を必要とし、この「ウェハー転用」が一般サーバー用RAMの供給を直接減少させている。

企業への具体的影響と対策の緊急度

調達コストの実態

HPは2026年第1四半期決算説明会で、メモリコストがPC製造材料の35%を占める(前四半期は15-18%)と発表し、四半期利益率の大幅低下を警告している。Lenovo、Dell、HP、Acer、ASUSは2026年のDRAMおよびNAND不足により15-20%のPC価格上昇を警告しており、一部では30%まで上昇する可能性も報告されている。

レガシーシステムへの影響

DDR4 EOLリスクの影響は均等ではなく、最も影響を受けるのは妥当性確認済みプラットフォームに依存する組織で、利益率の薄い民生機器、長い検証サイクルを持つ産業・組込システム、レガシーCPU・プラットフォームに依存するOEMが含まれる

2026年に新しい製品ライン設計や企業フリート更新を予定している場合、DDR4は「技術的行き止まり」となる。AMD AM5やIntel LGA1851などの現代プラットフォームはDDR4サポートを完全に廃止しており、DDR4選択は将来のCPUアップグレードからロックアウトされる。

情シス部門が取るべき具体的アクション

在庫管理と調達戦略

ITリーダーは第1四半期に1月基準から30-60%の価格上昇を予算計上し、最高優先度プロジェクトのみが第1四半期の高いメモリ価格を正当化できると考えるべきだ。IT機器調達予定がある場合、可能であれば2026年以前に行動すべきで、現在価格で確定することで月単位の待機による大幅コスト増を避けられる

BOMの中でリスクのあるメモリコンポーネントを監査し、DDR4、低密度DDR5、その他制約のある製品が重要プログラムのどこに使用されているかを特定し、移行パスの策定を開始する。公式EOL発表を待つのは不利な戦略となる。

調達チャネルの多様化

RAMEXperts™️のような60万5,000品の取扱実績を持つDRAM専門の調達パートナーとの連携も、供給制約下での安定調達に有効な選択肢となる。フランチャイズサプライヤーからの割当は制限されるが、認定独立ディストリビューターが入手可能性の隙間を埋めることが多く、偽造リスクの高まりの中で真正性確認は重要だが、サプライチェーン多様化はもはや選択肢ではない

段階的展開戦略

展開を段階に分け、年初に重要ワークロードを優先し、価格安定化が見込まれる第3四半期または第4四半期まで非重要システムを延期する。2026年にサーバーをメモリ容量半分で取得し、2027年にメモリ増設を計画することで、3〜5年のライフサイクルにおけるメモリ消費動態により適合する。

今後の市場見通しと準備

Synopsys CEOは半導体「供給不足」が2026年および2027年まで継続すると述べ、製造拡張には最低2年を要するため供給不足が長期化する理由の一つと指摘している。2026年のDDR4 RAM価格見通しは上昇傾向が続き、2027年までに新規供給能力がオンラインになるか需要が冷却すれば市場調整の可能性があるものの、当面は逼迫と価格上昇が継続する見込みだ。

DDR4 EOLを設計・ライフサイクル問題として扱い、単なる調達課題ではないと位置付ける組織が2026年以降も出荷を継続できる態勢を整える。DDR4が設計の中核である場合、計画は後回しではなく今実行する必要がある。

情シスが今すぐ検討すべき3つのこと

  • DDR4使用機器の全社的棚卸し:現在稼働中およびリプレース予定のDDR4搭載システムを把握し、保守・拡張に必要なメモリ容量を定量化する
  • 2026年上期の調達計画見直し:価格上昇を前提とした予算再策定と、重要度に応じた調達優先順位付けを実施する
  • DDR5移行可能性の技術評価:既存システムでのDDR5対応可能性と、プラットフォーム更新によるTCO比較を早急に実施する