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価格動向

PC DRAM価格、2026年Q1に100%超上昇の見通し ― HBM優先生産で企業調達に深刻な影響

RAMEXperts™️ 編集部

史上最大規模のDRAM価格上昇が企業調達を直撃

TrendForceの2026年2月2日発表によると、従来DRAM契約価格は2026年第1四半期に四半期比90-95%の上昇が予測され、これは当初予想の55-60%から大幅に上方修正された特にPC DRAM契約価格は100%超の上昇、サーバーDRAMも90%超の上昇となり、四半期ベースでの価格上昇としては過去最大を記録する見通しだ。

IDCの2026年2月10日の分析では、AI データセンターからの需要が供給を大幅に上回る状況が続いており、メモリ市場が前例のない転換点に達していると評価している。この価格上昇は2026年第1四半期にピークを迎えるが、TrendForceの予測では価格が高水準に達した後も反転や調整は見込まれず、持続的な高価格帯で推移する見込みだ。

AI向けHBM生産優先が供給逼迫の根本原因

Samsung、SK hynix、Micronの3社が全世界DRAM生産の95%以上を占める中、各社が先端ウェハー生産能力の最大40%をAI向けHigh Bandwidth Memory(HBM)に振り向けているメモリメーカーは意図的にDDR4および一般消費者向けDDR5からサーバー向けDDR5とHBMへと生産能力をシフトしており、より高い利益率を追求している

SK hynixとSamsungの両社は、NVIDIA「Rubin」アーキテクチャの需要に対応するため、HBM4の量産開始を2026年2月に前倒ししているSamsungは2026年末までにHBM生産を現在の月産17万ウェハーから25万ウェハーへ47%増産する計画を進めており、SK hynixも新M15X工場でのHBM4生産を当初予定より4ヶ月早い2月に開始する

企業のメモリ調達戦略への具体的影響

IDCの調査によると、中級機器では部材コスト(BOM)の15-20%、ハイエンド機器でも10-15%をメモリが占めるため、メモリ価格の急騰はOEMメーカーに価格引き上げまたは仕様引き下げを迫っているTrendForceは2026年第2四半期にPC市場でより大きな価格変動を予測し、ハイエンドおよび中級モデルではDRAM容量が最小基準近辺に留まり、アップグレード周期の長期化が予想される

2025年第4四半期のPC出荷が予想を上回った結果、PC DRAM の広範囲な不足が発生し、供給割り当てを確保済みのティア1 PC OEMでも在庫水準の急速な低下を経験しているAIの進展により、より多くのRAM(Microsoft Copilot+ PCは最低16GB必要)が求められる時期に、供給確保が困難かつ高コストになっており、これは価格上昇、利益率低下、または最悪のタイミングでの新システムRAM容量削減をもたらす

DDR4とDDR5の異なる価格動向

DDR4は段階的廃止に伴ってより高額になっており、過去のDDR3価格が生産終了期(2017-2018年)に40%上昇した前例があるDDR4供給を絞ることで、メーカーは最終的にDDR4が入手困難または極めて高価になった場合に顧客に選択肢を与えずDDR5への移行を促進している

2025年10月以降、DDR5 RAM市場は大きな逼迫局面に入り、数週間で価格が文字通り爆発的に上昇し、国や製品プロファイルによって3倍から4倍の増加を記録した需要の急増と限定的な生産の組み合わせにより、RAM価格、特にDDR5は前年比で100%を超える上昇となっている

メモリ調達における地域差と市場統合

価格上昇の完全な同期化は、この衝撃が地域的ではなく、世界的な生産とDRAMメモリの全体的な配分に関連していることを確認している。ヨーロッパ諸国では価格曲線が極めて近く、時には重なり合っており、ユーロ圏が独立した国内市場の合計ではなく、緊張下の単一市場として機能していることを示している

一部の16Gb DDR5チップ契約価格は2025年9月の6.84ドルから12月の27.20ドルへと3ヶ月で300%近く上昇した事例も報告されており、価格変動の激しさを物語っている。

価格正常化の見通しと企業が取るべき対応

DRAM価格は2026年Q1にピークを迎え(55-60%上昇)、2026年Q3から下落し、2027年後半から2028年前半に正常化するとする分析が有力だ。TrendForce、Sourceability、IDCの予測はすべて2027年を最も可能性の高い回復年として収束しており、TeamGroupのGMは2027-2028年に新しい生産能力がオンラインになるまで正常化は期待できないと警告している

回復は2027年まで期待されず、SamsungのP4LやSK hynixのM15Xなどの新しいメガファブが量産に達する時期と一致するMicronの台湾Tongluo工場からの第1フェーズ生産能力は2027年後半に同社の2026年Q4時点でのグローバル生産能力の10%を超える見通しであり、HBM4の複雑性増加により同じ生産量に従来世代より大幅に大きなクリーンルーム空間が必要になっている

RAMEXpertsが提案する調達戦略

60万5,000品の取扱実績を持つDRAM専門の調達パートナーRAMEXperts™では、このような市場環境下で企業の情シス部門に以下の戦略的アプローチを推奨している。長期在庫確保による価格変動リスクヘッジ、代替製品への計画的移行準備、そして複数供給元の確保による調達リスク分散だ。MOQなし最短10日納品の体制により、緊急時の調達ニーズにも対応可能な体制を整えている。

情シスが今すぐ検討すべき3つのアクション

  • 緊急在庫評価と調達前倒し:現在稼働中のサーバー・PCで使用中のDRAMモジュールの型番と必要数を洗い出し、2026年度予算枠内で可能な限り早期調達を実行する。特にDDR4システムは代替品確保が年内に困難になる可能性が高い
  • 2026年度IT予算の大幅見直し:メモリ関連予算を現行の1.5-2倍に増額修正し、上長への稟議資料にTrendForceの価格予測データを含めて根拠を明示する。リプレース計画の延期も選択肢として検討
  • サプライヤーとの長期契約交渉:主要取引先との2026-2027年の長期供給契約(LTA)締結を急ぎ、価格上昇前の固定価格確保を図る。複数ベンダーでの分散調達体制の構築も並行して進める

よくある質問

Q: DDR4とDDR5のどちらを調達すべきですか?

A: DDR4は段階的廃止により安価な選択肢として残らず、DDR5生産規模拡大により最終的にDDR5価格は下落するものの、現時点では在庫確保を優先し、長期的にはDDR5への移行計画を策定することを推奨します。

Q: いつまで価格上昇が続きますか?

A: 2026年前半まで価格は高止まり(または続上昇)が予想され、今後数四半期で意味のある価格下落は期待できない状況です。契約価格は安定する前により高額になる可能性があります。

Q: 中小企業でも大手と同じ影響を受けますか?

A: 契約価格はスポット価格より1-2四半期遅れる傾向があり、企業ボリューム購入の場合は消費者向けより正常化が遅れるため、中小企業も影響は避けられません。クラウドサービスプロバイダーは既に2027年供給契約を2026年Q1に締結を開始しています。