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2025年末のDRAM市場:AI需要とHBM供給不足が価格上昇を牽引

RAMEXperts™️ 編集部

AI需要がDRAM市場を牽引

2025年末のDRAM市場は、人工知能(AI)アプリケーションの急速な拡大により、従来の予測を大幅に上回る成長を記録している。特に、データセンター向けのHigh Bandwidth Memory(HBM)の需要が爆発的に増加しており、供給が追いつかない状況が続いている。

TrendForceの最新レポートによると、2025年第4四半期のDRAM価格は前四半期比で15-20%上昇し、この上昇トレンドは2026年第1四半期まで継続すると予測されている。この価格上昇の主要因は、AI学習・推論処理に不可欠なHBMメモリの供給不足にある。

HBMメモリの供給不足が深刻化

現在、HBM3およびHBM3Eメモリの需要は供給を大幅に上回っており、主要顧客であるNVIDIA、AMD、Intelなどのチップメーカーからの発注に対して、納期が6-9ヶ月という異例の長期化を記録している。

Samsung Electronicsは2025年12月に韓国・平沢工場でのHBM生産ラインを30%拡張すると発表。同社は2026年末までにHBM生産能力を現在の2.5倍に引き上げる計画を明らかにした。一方、SK hynixも無錫工場での生産能力増強に1兆ウォン(約1,100億円)の追加投資を決定している。

次世代HBM4の開発競争

各メーカーは現行のHBM3Eの量産拡大と並行して、2026年後半の量産開始を目指すHBM4の開発を加速させている。HBM4は現行品比で帯域幅が40%向上し、消費電力は20%削減される予定だ。

DDR5普及率が80%を突破

コンシューマー向けDRAM市場では、DDR5メモリの普及が順調に進んでいる。2025年12月時点で、新規出荷されるDRAMの80%以上がDDR5となり、DDR4からの移行が加速している。

この普及拡大の背景には、IntelのCore Ultra プロセッサーやAMDのRyzen 8000シリーズの普及、そしてDDR5メモリの価格低下がある。DDR5-4800の価格は2024年同期比で約25%下落し、DDR4との価格差が縮小したことで、メーカー・ユーザー双方でのDDR5採用が進んでいる。

高速DDR5への需要シフト

特に注目すべきは、DDR5-5600以上の高速メモリへの需要増加だ。ゲーミング用途やクリエイター向けワークステーションでの採用が拡大しており、2025年第4四半期の高速DDR5出荷量は前年同期比で180%増加している。

地政学的要因が供給チェーンに影響

DRAM業界は技術革新による需要増加の一方で、地政学的な課題にも直面している。米国の対中半導体規制の強化により、中国市場向けの高性能DRAM輸出に制限が課せられる可能性が高まっている。

これを受けて、中国のメモリメーカーであるChangxin Memory Technologies(CXMT)は独自技術開発を加速させており、2026年には自社製DDR5の量産開始を計画している。中国国内でのDRAM自給率向上を目指す動きが活発化している。

2026年の市場展望

2026年のDRAM市場は、AI需要の継続的拡大により年間成長率20%以上を維持すると予測されている。特に以下の要因が成長を牽引する見込みだ:

  • エッジAIデバイスの普及によるLPDDR5需要の急増
  • 自動運転車向け高信頼性DRAMの市場拡大
  • 5G基地局・データセンターのインフラ投資継続
  • 次世代ゲーム機・VR/ARデバイスでの高性能メモリ採用

一方で、供給面では各メーカーの設備投資により、2026年後半には供給不足の緩和が期待されている。ただし、HBMメモリについては需要の急激な拡大により、供給タイトな状況が2027年まで継続する可能性が高い。

RAMEXperts™️の市場対応

60万5,000品の取扱実績を誇るDRAM専門企業であるRAMEXperts™️では、この市場環境変化に対応し、顧客への安定供給体制を強化している。特にDDR5メモリの在庫確保と、産業用途での長期供給保証サービスの拡充により、急激な市場変動下でも顧客のビジネス継続をサポートしている。

同社では2026年に向けて、AI・データセンター向けの特殊仕様DRAMの取り扱いを拡大し、技術サポート体制も強化する方針を明らかにしている。