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市場動向

2026年DRAM市場、AI需要拡大でHBM供給逼迫が深刻化

RAMEXperts™️ 編集部

AI向けHBM需要が市場を牽引

2026年に入り、DRAM市場は生成AI(Generative AI)アプリケーション向けのHBM需要拡大により、かつてない活況を呈している。特にHBM3EおよびHBM4の需要が急激に増加しており、主要データセンター事業者からの発注が殺到している状況だ。

市場調査会社TrendForceの最新レポートによると、2026年第1四半期のHBM市場規模は前年同期比180%増の見込みで、これまでの予想を大幅に上回るペースで成長している。NVIDIA、AMD、Intelなどの半導体メーカーが次世代AIチップ向けにHBMの調達を積極化していることが主な要因となっている。

3大メーカーの生産能力拡大戦略

Samsung:平沢工場でHBM専用ライン増設

Samsungは韓国・平沢の半導体工場において、HBM専用の生産ラインを大幅に拡張することを発表した。2026年下半期までに現在の2倍となる月産能力の確保を目指しており、総投資額は約15兆ウォン(約1兆5,000億円)に達する見込みだ。

同社は特にHBM3E製品の歩留まり改善に注力しており、現在85%程度の歩留まりを90%以上に向上させることで、実質的な供給能力の底上げを図っている。

SK hynix:技術優位性を活かした高付加価値戦略

HBM市場でトップシェアを誇るSK hynixは、次世代HBM4の開発を加速している。同社は2026年第3四半期にHBM4のサンプル出荷を開始する予定で、競合他社に対する技術的優位性の維持を図っている。

また、韓国・清州工場での生産能力拡大も進めており、2026年末までに現在比50%増の生産体制を構築する計画だ。

Micron:米国内生産体制の強化

Micronは米国政府のCHIPS法支援を受け、アイダホ州ボイシ工場でのHBM生産能力拡大を推進している。地政学的リスクを背景とした米国内でのメモリ生産強化の流れを受け、北米の大手データセンター事業者からの受注獲得を目指している。

DDR5市場は安定成長を維持

HBMが注目される一方で、PC向けDDR5メモリ市場も堅調な成長を続けている。2026年第1四半期のDDR5価格は前四半期比5%程度の上昇に留まっており、比較的安定した推移を見せている。

企業向けPCの更新サイクルが本格化していることに加え、Windows 11の普及拡大によりDDR5搭載PCへの移行が加速している。特に16GB以上の大容量メモリを搭載したビジネスPC向けの需要が旺盛だ。

コンシューマー市場での普及拡大

ゲーミングPC市場においても、DDR5-6400やDDR5-7200といった高速メモリの需要が増加している。最新のゲームタイトルがより多くのメモリ容量を要求するようになったことで、32GB構成のゲーミングPCが標準的になりつつある。

供給制約と価格動向の見通し

2026年前半については、HBM供給不足が継続する見込みで、価格上昇圧力が強まっている。一方、DDR4メモリについては在庫調整が進んでおり、価格は底値圏で推移している。

業界アナリストは「HBMとDDR5の二極化が進んでおり、メーカー各社の収益構造に大きな変化をもたらしている」と分析している。高付加価値のHBM製品に注力する企業と、汎用DRAM市場でのシェア拡大を図る企業との戦略の違いが鮮明になっている。

RAMEXperts™️の取り組み

このような市場環境の中、60万5,000品の取扱実績を誇るDRAM専門企業のRAMEXperts™️では、顧客のニーズに応じた最適なメモリソリューションの提供を強化している。特にDDR5メモリの安定供給体制を構築し、企業のIT機器更新をサポートしている。

同社では「市場の変動が激しい中でも、お客様に安定した価格でのメモリ供給を継続していく」として、長期契約による価格安定化サービスの拡充を進めている。

今後の展望

2026年のDRAM市場は、AI需要の拡大により過去最高の成長率を記録する見込みだ。一方で、供給制約による価格変動リスクも高まっており、メーカー各社の生産能力拡大の進捗が市場の安定性を左右する重要な要因となっている。

特に下半期にかけては、各社の新工場稼働や生産能力拡張の効果が現れ始めることで、需給バランスの改善が期待されている。ただし、AI技術の進歩に伴う新たな需要創出により、中長期的には堅調な市場成長が継続する見通しだ。