「想定の2倍」の衝撃 ― なぜ今、DRAM価格予測が大幅上方修正されたのか
「来期のサーバー増設計画、今の見積もりのままで大丈夫ですか?」
もしあなたが2026年第1四半期(1-3月期)にサーバーやPCの調達・増設を予定しているなら、この質問は決して他人事ではありません。TrendForceが2月2日に発表した最新予測では、従来型DRAMの契約価格が四半期比90-95%上昇すると大幅に上方修正されました。これは当初予想の55-60%から約40ポイントもの引き上げです。
PC用DRAM価格は前四半期から倍増し、105-110%の上昇が見込まれており、これは同カテゴリでは過去最大の四半期上昇率となります。サーバー用途では60%を超える価格上昇が予想されています。
なぜここまで急激な価格上昇が起きるのか
価格急騰の主因は、AI需要による需給バランスの深刻な悪化です。クラウドサービスプロバイダー(CSP)、サーバーOEM、PC OEMが広範囲にわたってDRAM供給不足に直面している状況にあります。
4Q25のPC出荷が予想を上回ったことでPC DRAM不足が広がり、大手PC OEMでさえ在庫水準が急速に低下しているのが現状です。一方で、米国系CSPがAI推論向けインフラ開発により2025年後半から発注を前倒しし、サーバー用DRAM需要が急増しています。
情シスが直面する3つの深刻な影響
1. 調達コストの想定外膨張
PC用メモリ(DDR4/DDR5)は4Q25に38-43%上昇した後、1Q26にさらに105-110%上昇し、2四半期合計で約3倍の価格水準に達します。サーバー用途も4Q25の53-58%上昇に加え、1Q26に88-93%上昇で、こちらも約3倍の水準です。
具体的には、一部の16Gb DDR5チップが2025年9月の6.84ドルから12月には27.20ドルと、3か月で約300%上昇した事例もあります。
2. 調達リードタイムの大幅延長
産業用DRAMおよびSSDのリードタイムが20-36週間の範囲にまで延長しており、この構造的な供給不足が継続的な価格上昇圧力を生み出している状況です。
3. 調達戦略の根本的見直し必要性
2026年および2027年における製造業者にとっての重要な課題は価格最適化ではなく供給保証であり、アクセス、継続性、配送の予測可能性が生産の安定性と収益保護を決定づける状況にあります。
2026年の調達環境を読み解く ― 正常化はいつ来るか
残念ながら、この状況は短期間では改善されません。DRAM価格は1Q26にピークを迎えた後、3Q26から緩和が始まり、正常化は4Q26から4Q27の間と予想されています。
価格は2028年まで高止まりが続く見込みで、供給面での具体的改善は2027年第1四半期まで見込めないとする分析もあります。
この長期化の背景には、新しいDRAM製造設備の建設に2-3年のタイムラインと100-200億ドルの資本投資が必要という構造的制約があります。
情シスが今すぐ検討すべき3つのアクション
1. 即座の予算見直しと承認プロセス
- 2026年予算でDRAMコストの40-50%増加を織り込む(これは最悪ケースでなく期待値)
- 1Q26調達予定案件の緊急見積もり再取得
- 上長・経営層への価格動向報告と予算承認の前倒し
2. 調達戦略の抜本的転換
- 2026年および2027年の需要予測を直ちに確定し、来四半期末までに長期供給契約を締結して生産割り当てを確保
- 重要なメモリおよびサーバーニーズをQ1 2026の価格急騰前に購入し、任意購入分はH2 2026の安定化まで待機
- 技術的に可能な場合はDDR4インフラの拡張を検討し、大規模RAMアップグレードプロジェクトを段階的に実施
3. リスク分散とパートナー戦略
- 一部のベンダーは在庫を確保しており短期供給面で優位性があるため、調達先の多様化を検討
- スポット価格(200-300%のプレミアム)を避け、可能な限り契約価格での交渉を実施
- RAMEXperts™️のような60万5,000品の取扱実績を持つDRAM専門調達パートナーとの関係構築も選択肢の一つ
アクティブな市場監視と柔軟な調達戦略が価格急騰を回避または緩和するために不可欠となり、RAMは2026年では安定した標準品目ではなく価格バッファと代替シナリオを織り込むべき変動コスト要因となっています。
「完璧なタイミングを待つ」戦略はもはや通用しません。今後24-30か月の調達・計画フレームワークは、短期コスト最小化よりも、回復力、可視性、リスク管理を中心に構築すべき状況にあります。今こそ、調達戦略の根本的見直しが求められています。