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価格動向

DRAM価格、1Q26に最大95%上昇の予測 ― 情シス部門の調達計画見直しが不可欠

RAMEXperts™️ 編集部

価格急騰の実態:過去最大の四半期上昇率

TrendForce社は従来の55-60%から90-95%へと1Q26のDRAM契約価格上昇予測を大幅に上方修正したPC用DRAMについては100%を超える上昇が見込まれ、四半期ベースでは過去最大の急騰となる。サーバー用DRAMも90%の四半期上昇が予測され、これも記録的な水準である。

実際の取引では、16Gb DDR5チップが2025年9月の6.84ドルから12月には27.20ドルへと3ヶ月で約300%上昇している事例も報告されており、予測を上回るペースで価格が高騰している。

AI需要が生み出す構造的供給不足

米国クラウドサービスプロバイダー(CSP)のAI推論インフラ需要が2025年後半から急増し、サーバー用DRAM調達を前倒しで進めているこの動きにより、CSPが供給量の大部分を確保し、他の購入者は価格上昇を受け入れざるを得ない状況となっている。

メモリーメーカーは利益率の高いHBMや高密度DDR5の製造を優先し、従来品への製造能力配分を削減している。ハイパースケーラーとクラウドプロバイダーのGPU・AIクラスター拡張により、年率30%以上の成長でDRAM需要が急増している現状が、この構造的な供給不足を加速させている。

DDR4終息による二重打撃

Samsung、SK hynix、Micronの大手3社は2025年後半から2026年前半にかけてDDR4出荷を段階的に終了予定で、最終出荷は2026年末までに完了する見通しだ。2026年以降は主流・コンシューマー向けの入手が困難になり、供給不足が本格化する。

DDR4は「価格逆転」状態に陥っており、2025年中頃にはGB単価でDDR5を50%以上上回る水準に達している。2025年10月には32GB DDR4キットが60-90ドルで購入できたが、2026年1月には150-180ドルまで高騰している。

企業への具体的インパクト試算

Dell、HP、Lenovo等の主要サーバーベンダーは約15%の価格転嫁を実施しており、DDR5 64GB RDIMMモジュールは2026年末までに2025年初頭比で2倍のコストに達する可能性がある。

2026年第1-2四半期の調達では、加重平均で40-50%のDRAMコスト増加を予算計画に織り込む必要がある。年間IT予算1億円の企業であれば、メモリー関連だけで2,000万円の追加予算が必要な計算だ。

メモリーはスマートフォンやPCのBOM(部品表)コストに占める割合が拡大しており、Appleのような収益性の高い企業でもiPhoneのメモリーコンポーネント比率が1Q26に大幅増加予定とされる。

調達戦略の緊急見直しポイント

短期対応(2026年Q1-Q2)

Q1-Q2 2026の展開予定があるシステムについては、15%のコスト回避効果が見込めるため即座に調達実施を推奨する。Samsung、SK hynixは最大4年の長期DRAM供給契約を締結しており、2-3年契約で価格固定と供給保証を確保することが可能だ。

DRAM不足の拡大と来年の継続的な供給不足が予測される中、小規模OEMは契約期限や不足の顕在化を待つことはできず、今すぐ供給コミットメントの確保に動く必要がある。

中長期戦略(2026年H2以降)

H2 2026以降の展開については市場回復が見込まれ、Gartnerはサーバー用DRAMコストがQ3 2026に13%下落すると予測している。クラウドインフラコストも2026年Q3から低下するが、プロバイダーの料金反映には6-12ヶ月の遅延が予想され、実質的な料金削減は2027年Q1-Q2頃となる見通しだ。

DDR4レガシーシステム対策

DDR4価格の短期的な下落は見込めず、メーカーの生産終了によってレガシーモジュールは高価格で推移する。2026-2027年のレガシーインフラ維持予定がある場合、DDR4の在庫確保は必須だ。

BOMにおけるDDR4、低密度DDR5等の制約製品の洗い出しと移行パス策定を急ぐ必要がある。DDR4がプラットフォームにとって必須な箇所と代替可能な箇所を区別し、製品ライフサイクル、認証制約、収益影響に応じてセグメント化することが重要だ。

調達パートナー戦略の見直し

このような厳しい市場環境において、RAMEXperts™️のような60万5,000品の取扱実績を持つDRAM専門の調達パートナーとの連携が重要性を増している。フランチャイズ供給業者からの配分が固定される中、認定独立販売業者が入手性のギャップを埋める役割を果たすことが多く、真正性の検証は重要だが、サプライチェーンの多様化はもはや選択肢ではない

情シスが今すぐ検討すべき3つのアクション

  • 緊急予算確保と稟議準備:2026年度IT予算でメモリー関連を40-50%上乗せした予算要求書を作成し、TrendForceやGartnerの価格予測データを添付して上長承認を取得する
  • 調達契約の緊急見直し:現行ベンダーとの契約更改時期を前倒しし、2-3年の長期契約による価格固定と供給保証を交渉。特にQ1-Q2 2026展開予定システムは即座に発注実行
  • レガシーシステム棚卸しと移行計画:DDR4依存システムの完全な棚卸しを実施し、2026年中の代替調達可能性と2027年以降のDDR5移行スケジュールを策定。同時にDDR4在庫の戦略的確保を検討