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サーバーメモリ(DRAM)増設の判断軸

30秒まとめ

メモリ使用率が常時80%超、仮想マシン追加予定、アプリケーションの要件変更がある場合は増設検討のタイミングです。増設にあたっては「どのくらいの容量が必要か」「RDIMM/LRDIMMどちらを選ぶか」「DDR世代は何か」をサーバー仕様書と照合して決定する必要があります。

増設が必要になるタイミング

以下のいずれかに該当する場合、メモリ増設を検討すべきです。

パフォーマンス低下の兆候

構成変更・拡張

ライフサイクル

現在のメモリ使用量を確認する

増設の判断には、現在のメモリ使用状況を正確に把握することが前提です。

Windows Server の場合

タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで「メモリ」を選択すると、使用量・空き容量・コミット済みサイズを確認できます。より詳細にはパフォーマンスモニター(perfmon)で以下のカウンターを監視します。

Memory\Available MBytes ← 利用可能な物理メモリ(MB) Memory\Pages/sec ← ページング頻度(高いほどメモリ不足の兆候) Memory\% Committed Bytes In Use ← コミット済みメモリの使用率 Paging File\% Usage ← ページファイル使用率

※ Pages/sec が継続的に高い値(数百以上)を示す場合、スワップが常態化しています。

Linux の場合

$ free -h total used free shared buff/cache available Mem: 62Gi 48Gi 1.2Gi 256Mi 13Gi 13Gi Swap: 8.0Gi 3.2Gi 4.8Gi

注目すべき値:

より長期のトレンドを確認するには sar -r(sysstat)や vmstat 5 で経時変化を見ます。

$ vmstat 5 3 procs -----------memory---------- ---swap-- -----io---- r b swpd free buff cache si so bi bo 2 0 3276800 1258496 102400 13631488 12 45 128 256 1 0 3276800 1245184 102400 13644800 8 32 96 192 3 1 3358720 1126400 102400 13598720 64 128 384 512

※ si(swap in)/ so(swap out)が継続的に0でなければ、スワップが活発に発生しています。

容量の決め方

「いくら増設すべきか」は環境によって異なりますが、以下の考え方が実務的な目安になります。

基本的な考え方

  1. 現在の使用量を計測する ── ピーク時の使用量を基準にする(平均値ではなくピーク値)
  2. バッファを加える ── ピーク使用量の1.3〜1.5倍を目標容量とする(30〜50%のバッファ)
  3. 将来の拡張を見込む ── 1〜2年後の成長を見越して、ピーク使用量の1.5〜2倍を確保するのが理想

用途別の目安

用途 1台あたりの目安 ポイント
ファイルサーバー 16〜64GB キャッシュ量がI/O性能に直結
Webサーバー(中規模) 32〜128GB 同時接続数とアプリ要件に依存
データベースサーバー 64〜512GB DB全体がメモリに載ると劇的に高速化
仮想化ホスト 128GB〜2TB VM数 x VM割当メモリ + ホストオーバーヘッド
AI/ML ワークロード 256GB〜 データセットサイズとモデルサイズに依存 [要確認]

※ 上記はあくまで目安です。実際の必要量はアプリケーション要件とワークロードにより大きく異なります。

RDIMM vs LRDIMM の選択基準

サーバー向けメモリモジュールの2大タイプ、RDIMMとLRDIMMの使い分けを整理します。

項目 RDIMM LRDIMM
正式名称 Registered DIMM Load Reduced DIMM
バッファ レジスタ(アドレス/コマンド信号をバッファリング) データバッファ(データ信号も含めて負荷を軽減)
1枚あたりの最大容量 一般的に64GBまで [要確認] 128GB以上も可能 [要確認]
価格 比較的安価 RDIMMより高価
適する用途 標準的なサーバー構成 大容量構成(合計512GB〜1TB超)
速度への影響 スロット数が少ない構成では速度低下なし フル実装時でも速度低下を抑えられる

選択の判断フロー

  1. 必要な総メモリ容量を決める
  2. サーバーの空きスロット数を確認する
  3. RDIMMで必要容量を満たせるか計算する(例: 空き8スロット x 64GB RDIMM = 512GB追加可能)
  4. RDIMMで足りるならRDIMMを選択(コスト優位)
  5. RDIMMでは不足する場合、LRDIMMを検討する

※ 同一サーバー内でRDIMMとLRDIMMを混在させることはできません。既存がRDIMMの場合、追加もRDIMMにする必要があります。

DDR4からDDR5への移行判断

DDR4とDDR5は物理的な互換性がないため、同じサーバー内での混在はできません。DDR5への移行は、サーバー自体の世代交代と同時に行うことになります。

DDR5のメリット

移行の判断ポイント

Rank(ランク)の影響

Rankとは、メモリモジュール上のDRAMチップのグループ単位です。1つのRankは64ビット幅(ECC付きでは72ビット幅)のデータを出力します。

サーバーのメモリコントローラーには「1チャネルあたりの最大Rank数」という制限があります [要確認]。例えば、チャネルあたり最大8 Rankの制限がある場合、2R DIMMは4枚まで搭載可能ですが、4R DIMMだと2枚までとなります。増設前にマニュアルのメモリ構成ルールで上限を確認してください。

よくある事故パターン

スワップ解消のためだけにメモリ増設

スワップの原因がメモリ不足ではなく、メモリリーク(アプリケーションのバグ)やカーネルパラメータの設定不備である場合があります。増設前にプロセス別のメモリ消費を確認し、特定プロセスが異常に消費していないか確認してください。根本原因がアプリケーション側にある場合、メモリを増設しても一時的な延命にしかなりません。

最大搭載量を超えて発注

サーバーにはCPU・チップセットに起因するメモリの最大搭載量があります。スロットが物理的に空いていても、最大搭載量を超えた分は認識されません。また、CPU1基搭載の構成ではCPU2側のスロットが使えないサーバーもあります。マニュアルの仕様表で最大搭載量とCPU構成との関係を必ず確認してください [要確認]。

既存と異なるRankの混在

異なるRankのメモリを混在させると、チャネルあたりのRank上限を超えて認識されない、または速度低下が発生する場合があります。既存メモリのRank数を確認し、追加メモリも合わせて揃えることを推奨します。

※ 最大搭載容量やチャネル構成はサーバーモデルにより異なります [要確認]。具体的な構成については、サーバーのマニュアルを参照するか、構成情報を添えてお問い合わせください。

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