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サーバーメモリ(DIMM)増設の判断軸

30秒まとめ

利用可能メモリの減少と応答遅延が重なる場合や、仮想マシン追加・アプリケーションの要件変更がある場合は増設を検討します。使用率だけで決めず、「必要容量」「対応するDIMMタイプ」「DDR世代」をサーバー仕様書と実測値で確認することが判断の軸です。

増設が必要になるタイミング

以下の兆候や構成変更を起点に、実測と制限値を確認して増設の必要性を判断します。

パフォーマンス低下の兆候

構成変更・拡張

ライフサイクル

現在のメモリ使用量を確認する

増設の判断には、現在のメモリ使用状況を正確に把握することが前提です。

Windows Server の場合

タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで「メモリ」を選択すると、使用量・空き容量・コミット済みサイズを確認できます。より詳細にはパフォーマンスモニター(perfmon)で以下のカウンターを監視します。

Memory\Available MBytes ← 利用可能な物理メモリ(MB) Memory\Pages/sec ← ディスクとのページ入出力数(単独で不足と断定しない) Memory\% Committed Bytes In Use ← コミット済みメモリの使用率 Paging File\% Usage ← ページファイル使用率

※ Pages/secにはページファイル以外の入出力も含まれます。利用可能メモリ、ページファイルへの書き出し、処理時間の変化を合わせて判断します。Microsoftの性能調査手順

Linux の場合

$ free -h total used free shared buff/cache available Mem: 62Gi 48Gi 1.2Gi 256Mi 13Gi 13Gi Swap: 8.0Gi 3.2Gi 4.8Gi

注目すべき値:

より長期のトレンドを確認するには sar -r(sysstat)や vmstat 5 で経時変化を見ます。

$ vmstat 5 3 procs -----------memory---------- ---swap-- -----io---- r b swpd free buff cache si so bi bo 2 0 3276800 1258496 102400 13631488 12 45 128 256 1 0 3276800 1245184 102400 13644800 8 32 96 192 3 1 3358720 1126400 102400 13598720 64 128 384 512

※ si(swap in)/ so(swap out)が継続的に0でなければ、スワップが活発に発生しています。

容量の決め方

「いくら増設すべきか」は環境によって異なりますが、以下の考え方が実務的な目安になります。

基本的な考え方

  1. 現在の使用量を計測する ── ピーク時の使用量を基準にする(平均値ではなくピーク値)
  2. 余裕を加える ── バッチ処理の重複や障害時の処理集約を想定し、許容する応答時間を満たす余裕を負荷試験で確認する
  3. 将来の拡張を見込む ── VM・データ量の増加計画を加え、対応する搭載構成と空きスロットを確認する。一律の倍率を全システムへ適用しない

用途別の目安

用途 1台あたりの目安 ポイント
ファイルサーバー 16〜64GB キャッシュ量がI/O性能に直結
Webサーバー(中規模) 32〜128GB 同時接続数とアプリ要件に依存
データベースサーバー 64〜512GB DB全体がメモリに載ると劇的に高速化
仮想化ホスト 128GB〜2TB VM数 x VM割当メモリ + ホストオーバーヘッド
AI/ML ワークロード 処理方式・実測で算定 データ前処理、同時処理数、CPU側への保持量を確認。GPUメモリとサーバーのDIMM容量を分けて見積もる

※ 上記はあくまで目安です。実際の必要量はアプリケーション要件とワークロードにより大きく異なります。

RDIMM vs LRDIMM の選択基準

サーバー向けメモリモジュールの2大タイプ、RDIMMとLRDIMMの使い分けを整理します。

項目 RDIMM LRDIMM
正式名称 Registered DIMM Load Reduced DIMM
バッファ レジスタ(アドレス/コマンド信号をバッファリング) データバッファ(データ信号も含めて負荷を軽減)
容量の掲載例(上限ではない) DDR5 RDIMMには128GB製品もある Dell PowerEdge R750のDDR4構成表には128GB・256GBが掲載
価格 対象型番・数量・保証条件で比較 対応構成を揃えた見積で比較
適する用途 標準的なサーバー構成 LRDIMMに対応し、その容量構成を必要とするサーバー
速度への影響 CPU・DIMM枚数・搭載ルールで決まる 負荷軽減機構があっても、全スロットで最高速度を保証するものではない

選択の判断フロー

  1. 必要な総メモリ容量を決める
  2. CPU構成・既存DIMMタイプ・使用可能なスロットを確認する
  3. メーカーの搭載表に沿って、容量・Rank・1チャネルあたりの枚数を確認する
  4. 対応する構成の中で、必要容量・速度・調達費用を比較する
  5. タイプを変更する場合は、サーバーの対応可否と既存DIMMの入れ替え範囲も確認する

※ 同一サーバー内でRDIMMとLRDIMMを混在させることはできません。既存がRDIMMの場合、追加もRDIMMにする必要があります。

DDR4からDDR5への移行判断

DDR4とDDR5は物理的な互換性がないため、同じサーバー内での混在はできません。DDR5への移行は、サーバー自体の世代交代と同時に行うことになります。

DDR5のメリット

移行の判断ポイント

容量を増やすと、帯域も増えますか?

必ず増えるとは限りません。1チャネル当たりのDIMM枚数(DPC)が増えると、機種・CPUの条件によって動作速度の上限が下がります。

Dell R660・Xeon 6430・2 CPU・Optimizerで、64GB・2R RDIMMを全チャネル均等に搭載する資料条件では、16枚(1DPC)も32枚(2DPC)もCPU上限は4400 MT/sです。容量は1,024 GBから2,048 GBへ増えますが、16チャネルの理論帯域はどちらも563.2 GB/sです。DIMM定格4800 MT/sや実測性能とは区別します。

Dell PowerEdge R660 Technical Guide(CPU・メモリ条件) / Intel Xeon Gold 6430(CPU速度上限) / サンプル条件をツールで比較

Rank(ランク)の影響

Rankとは、まとめて選択されるDRAMチップのグループ単位です。DDR4 DIMMの一般的な構成はデータ64ビット(ECC付きでは72ビット)。DDR5 DIMMは2つのサブチャネルを持つため、世代を分けて仕様を読みます。

搭載可能な枚数は、Rank数の割り算だけでは決まりません。CPU・DIMMタイプ・容量・Rankに加え、DPC(1チャネルあたりのDIMM枚数)と物理スロット数をメーカーの搭載表で確認します。異なるRankの混在可否や動作速度も機種・構成ごとに異なります。

よくある事故パターン

スワップ解消のためだけにメモリ増設

スワップの原因がメモリ不足ではなく、メモリリーク(アプリケーションのバグ)やカーネルパラメータの設定不備である場合があります。増設前にプロセス別のメモリ消費を確認し、特定プロセスが異常に消費していないか確認してください。根本原因がアプリケーション側にある場合、メモリを増設しても一時的な延命にしかなりません。

最大搭載量を超えて発注

空きスロットがあっても、そのCPU・DIMM構成で使用できるとは限りません。例えばPowerEdge R750では、搭載CPUに対応するスロットだけが使用できます。最大容量と使用可能スロットを、対象機種の搭載表で確認してから数量を決めます。

既存と異なるRankの混在

異なるRankのメモリを混在させると、チャネルあたりのRank上限を超えて認識されない、または速度低下が発生する場合があります。既存メモリのRank数を確認し、追加メモリも合わせて揃えることを推奨します。

※ ここで挙げた機種・製品は仕様を読むための例であり、他機種への適合や当社の取扱・在庫を保証するものではありません。最大搭載容量・チャネル構成は対象機種の資料で確認します。

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よくある質問

サーバーメモリの増設が必要なタイミングはいつですか?

利用可能メモリの減少、継続的なページング、応答遅延が重なる場合や、VM・データベースの拡張を予定している場合に検討します。使用率だけで決めず、ピーク時の実測とアプリケーションやコンテナの制限値を確認します。

RDIMMとLRDIMMはどちらを選ぶべきですか?

まずサーバーが対応するDIMMタイプを確認します。RDIMMかLRDIMMかを総容量だけで決める共通の境界値はありません。対応する容量・Rank・DPC・動作速度と、既存DIMMとの混在制限を確認したうえで構成と費用を比較します。

サーバーメモリの容量計画はどう立てればよいですか?

現在のピーク時メモリ使用量に加え、今後1〜2年の増加見込みを加算します。仮想化環境ではVM数×平均メモリ割当、データベースサーバーではバッファプール推奨値を基準にします。将来の拡張性を考慮し、空きスロットを残す構成が推奨されます。

構成・計画を手元で確認する

取得時点のメモリ余力を計算 ↗ / ホスト停止時のメモリ容量を計算 ↗

登録不要。入力内容はブラウザー内で計算し、結果を保存・出力できます。