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価格動向

Q. ノートPC用DDR5が1年で約6倍、XMGが1台最大300ユーロ値上げ(2026年9月)——法人PC調達予算は? A. 部品高は完成品価格に波及、更改は後付け増設前提を捨て初期構成で確定を

RAMEXperts™️ 編集部
RAMEXpertsサーバーメモリニュース。価格動向。ノートPC用DDR5の上昇と価格波及。注目データは1台最大300ユーロ値上げ。

ノートPCのDDR5が1年で約6倍——XMGの値上げが示す「部品高から完成品高へ」の波及とは

2026年9月25日時点で、メモリ価格の上昇はもはや部材単価だけの問題ではなく、ノートPC本体の販売・見積価格そのものを押し上げる段階に入った。ドイツのゲーミングノートPCブランドXMGおよびワークステーション向けブランドSchenkerは、ノートPC向けDDR5 SO-DIMMの調達コストが2025年7月比で約6倍に達したとして、9月18日付でほぼ全モデルの価格改定に踏み切った。

SO-DIMM(Small Outline DIMM)とは、ノートPCや小型デスクトップに搭載される小型のメモリモジュールである。デスクトップ用のDIMMより基板が短く、ノートPCの増設・換装に使われる。今回の改定では、ほぼ全ノートPCモデルが100〜150ユーロ、一部のSchenkerプロ向けモデルは300ユーロの上昇となり、RTX 5090搭載構成では追加で約120ユーロが上乗せされた。一方、一部のRTX 5070(M25)モデルは35〜50ユーロの値下げも実施している。

XMGはメモリ以外にも、PCB(プリント基板)や各種電子部品、CPU、GPU、ビデオメモリのコスト上昇を値上げ要因として挙げている。加えて、中東情勢に伴う航空貨物運賃や紅海航路の保険料上昇といった物流コストも重なっているとした。

XMGが公表した価格改定の内訳

対象価格調整
ほぼ全ノートPCモデル+100〜150ユーロ
一部のSchenkerプロ向けモデル+300ユーロ
RTX 5090搭載構成追加 +約120ユーロ
一部のRTX 5070(M25)モデル−35〜50ユーロ

法人ノートPC調達への影響——なぜ「後付け増設」戦略が効かなくなったのか

結論から言えば、これまで法人調達で有効だった「最小構成で購入し、後から安価なSO-DIMMを増設する」という手法が、メモリ単体価格の急騰で機能しなくなりつつある。XMGは、モジュール単体の価格上昇が最も急だったため、32GB以上を必要とする場合は初期構成(BTO)で積んだ方が割安になりつつあると指摘している。

この動きが情シスにとって重要なのは、メモリ相場の上昇が「部品の値上げ」から「完成品1台あたりの値上げ」へと明確に転嫁され始めた実例だからである。XMGは部材コストを価格へ反映する速度が大手より速い小規模なブティックメーカーだ。裏を返せば、Dell・HP・Lenovoといった大手OEMも同じ部材高を共有しており、今後のクライアントPCの値上げや標準構成の見直しは想定しておくべき局面にある。

参考として、デスクトップ向けDDR5も過去12カ月で約500%(約6倍)上昇したとされ(Tom's Hardware)、ノートPC向けSO-DIMMの上昇幅もこれと同程度に大きい。クライアントPCの更改・リプレースを計画している情シスは、1台あたりの調達単価が数百ユーロ(数万円)単位で上振れする前提で、今期の台数・容量・予算を組み直す必要がある。

今後の見通し——メモリ逼迫は2027年まで続くのか

供給逼迫は少なくとも2027年まで継続するとの見方が主流だが、反転時期については見解が分かれている。XMGは値上げの根拠として、Micronが「DRAM・NANDの需給逼迫は2027年以降も続く」と見通している点を引用し、中期的な価格緩和は見込めないとした。

一方でAcerのCEOであるJason Chen氏は、部品価格は2027年後半に反転し始める可能性があるとの見方を示している。つまり「2026〜2027年は上昇継続」という点では各社おおむね一致するものの、緩和の入り口が2027年後半なのか2028年以降なのかは、2026年9月時点では確定していない。この不確実性を踏まえると、更改が必要な機種については反転を待つより先に発注枠・構成を確定する判断が現実的である。

メーカー・機関別の見通し比較

情報源需給・価格の見通し
XMG(Micronの見通しを引用)DRAM・NANDの逼迫は2027年以降も継続
Acer CEO(Jason Chen氏)部品価格は2027年後半に反転の可能性

情シスが確認すべき3つのポイント

  • 更改対象機種のメモリ実装容量を棚卸しし、「最小構成+後付け増設」を前提にした調達計画を、初期構成(BTO)で最終容量まで積む前提に置き換えて見積りを取り直す
  • OEM・販社に対し、見積の有効期限・価格改定条項・分納可否を確認する。メモリ相場は「発注時」ではなく「出荷時」に価格が確定する取引が増えているため、見積の失効リスクを織り込む
  • 2027年までの逼迫継続を前提に、今期のクライアントPC更改の台数・容量・予算を前倒しで確保し、必要台数の発注枠を先に押さえる

よくある質問(FAQ)

Q: 大手OEM(Dell・HP・Lenovo)のノートPCも値上げされますか?

A: XMGは反映が速い小規模メーカーですが、大手OEMも同じDDR5・SO-DIMMの部材高を共有しています。2026年9月時点で大手の一律値上げは本稿の出典では確認できていないものの、標準構成の容量見直しや価格改定は今後見込んでおくのが妥当です。

Q: ノートPCは今調達すべきか、2027年後半の反転を待つべきか?

A: 見通しは分かれます。XMGはMicronの「2027年以降も逼迫継続」の見方を引用し、Acer CEOは2027年後半の反転を予想しています。更改が必要な機種は、反転時期が不確実なため、待ちより枠確保を優先する判断が現実的です。

Q: 後からSO-DIMMを自分で増設するのは損になりますか?

A: XMGは、モジュール単体価格の上昇が最も急だったため、32GB以上を要する場合は初期構成で積む方が割安になりつつあると指摘しています。後付け増設の価格メリットは2026年9月時点で大きく縮小しています。

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