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調達・運用

Q. DDR4は2026年に大手3社がEOL段階へ・新規玉は産業向け中心の配給に——既存システムの増設は? A. DDR5移行の検証とラストタイムバイを並行で進める

RAMEXperts™️ 編集部

DDR4のEOLとは——2026年のメモリ市場で何が起きているか

結論から言えば、2026年11月3日時点でDDR4は「終わりつつある世代」であり、主流PC・サーバー向けの大量生産は実質的に収束へ向かっている。EOL(End of Life)とは、メーカーが製品の新規生産・出荷を打ち切る製品ライフサイクルの終端を指し、以降は最終発注(ラストタイムバイ、LTB)で確保した在庫か、中古・リファービッシュ品が主な供給源になる。

大手3社の動きは一律ではない。SK hynixはDDR4について、最終発注を2025年10月、最終出荷を2026年4月とする計画を示している。Micronも主流向けDDR4の生産をおおむね2026年第1四半期で打ち切る一方、車載・産業・ネットワーク向けの長期顧客には限定数量で供給を続けるとしている。SamsungとSK hynixは、DDR4が想定外の高収益源になったことで旧ラインの完全停止を2026年に先送りし、NCNR(キャンセル・返品不可)契約で特定顧客に供給を続ける動きも報じられている。

結果として、新規DDR4の汎用大量供給は細り、入手可能な玉は大口顧客への配給とリファービッシュ品に偏ってきている。2026年11月3日時点で、新規のDDR4は主流向けの大量供給が終わりつつあり、産業向けの限定供給とリファービッシュ品が主な入手経路になっている。

DDR4とDDR5の違いと「価格の逆転」の影響

注目すべきは、終わりゆくDDR4のほうがDDR5より速く値上がりしているという逆転現象である。市場調査によれば、DDR4の契約価格は2026年10月に直近3カ月で24%上昇し、同期間のDDR5(20%)を上回った。通常は新しい規格ほど需給が逼迫するが、生産縮小が需要の残存に追いつかず、旧世代が割高になっている。

DDR4(Double Data Rate 4)とは2014年前後から普及した主力のDRAM規格で、DDR5(同5)はその後継として2021年以降サーバー・PCへ展開が進む高速・高密度の規格である。DDR4とDDR5はスロットの切り欠き位置・動作電圧・ピン配置が異なり相互に差し替えできないため、DDR5への移行はCPU・マザーボードを含むプラットフォーム単位の更新を伴う。

価格の実額でも上昇は鮮明だ。PC向け8GbのDDR4 DRAMは2026年10月に27.50ドルと前月比5.77%高、19カ月連続の上昇で過去最高を更新した。一方でGBあたり単価ではDDR4は依然DDR5より約50%安く、「安いから残す」判断と「供給が細るから移る」判断が拮抗している。

項目DDR4DDR5
直近3カ月の契約価格上昇(2026年10月時点)+24%+20%
エンタープライズRDIMM価格の目安リファービッシュ 8GB約39ドル/16GB約70〜135ドル/32GB約160〜235ドル32GB 1,000〜1,400ドル/64GB 2,400ドル超
GBあたり単価DDR5より約50%安い高い(最新世代)
供給状況EOL進行、産業向け限定供給+リファービッシュ中心サーバー・AI向けに生産配分、納期最長6カ月

DDR4→DDR5移行判断への影響——増設か、リプレースか

情シスの実務的な分かれ道は、既存システムをDDR4で延命するか、DDR5世代へリプレースするかである。RDIMM(Registered DIMM)とは、サーバー向けにバッファ(レジスタ)を介して安定性と大容量実装を両立させたメモリモジュールを指す。

コスト面では、エンタープライズ向けDDR5 RDIMMは32GBが1本1,000〜1,400ドル、64GBは2,400ドル超に達し、DellやSupermicroなど主要ベンダーの納期は従来の6〜8週間から構成によっては最長6カ月に伸びている。対するリファービッシュのDDR4 RDIMMは8GBが1本約39ドル、16GBが約70〜135ドル、32GBが約160〜235ドルと、新品DDR5より明確に安い。

ただしDDR4での延命は、EOLに伴う入手難・品質のばらつき・保守部品の枯渇という時間リスクを抱える。既存プラットフォームが対応する最大容量まで増設余地があるか、サポート期間が残っているか、将来のDDR5更新と二重投資にならないかを、台数と時期で切り分けて判断したい。

今後の見通し——2027〜2028年の調達前提

供給逼迫は短期で解消しない前提で計画するのが妥当だ。TrendForceは汎用DRAMの契約価格が2026年第4四半期にさらに10〜15%上がると見込み、Citiの分析はDRAMの供給不足が2027年第4四半期に13.9%でピークを迎え2028年まで続くとする。Samsungも2026年10月29日の第3四半期決算説明会で、2027年は需給がさらに逼迫し2028年まで続く、HBMの2027年分はすでに完売したと説明した。

要するに、DDR4の値下がりを待つ戦略は2027年中の反転を前提にできない。移行判断とラストタイムバイは、価格が動く前に「設計検証」と「数量確保」を並行で進めるのが現実的である。

情シスが確認すべき3つのポイント

  • EOL・LTBの締切確認:使用中のDDR4モジュールについて、メーカー/モジュールベンダーのEOL通知とラストタイムバイ締切を棚卸しし、保守・増設に必要な数量を最終発注に間に合わせる。
  • DDR5移行の互換検証:移行先サーバー/PCのCPU・マザーボードがDDR5対応か、必要な容量・速度(RDIMM/UDIMM、動作クロック)を満たすかを事前検証し、台数と時期で二重投資を避ける。
  • 入手経路とリスクの明文化:新品配給・リファービッシュ・スポットの各経路の価格と納期(最長6カ月の可能性)を見積もりに織り込み、リファービッシュ採用時は保証・検査基準を調達条件に明記する。

よくある質問(FAQ)

Q: DDR4はもう新品で買えないのですか?

A: 主流PC・サーバー向けの大量生産は2026年に収束へ向かっていますが、2026年11月3日時点で完全に消滅したわけではありません。Micronは車載・産業・ネットワーク向けの長期顧客に限定供給を続け、SamsungやSK hynixも特定顧客向け供給や旧ラインの段階的縮小の途上にあります。実務上は、新規の汎用大量調達は難しく、リファービッシュ品が主な入手経路になりつつあります。

Q: 今あるDDR4サーバーのメモリをDDR5に差し替えられますか?

A: 差し替えはできません。DDR4とDDR5は切り欠き位置・電圧・ピン配置が異なり、既存のDDR4対応マザーボードにDDR5を装着できません。DDR5化はCPU・マザーボードを含むプラットフォーム更新(リプレース)になるため、増設での延命か世代更新かを分けて検討する必要があります。

Q: DDR4のラストタイムバイ(LTB)では何を確認すべきですか?

A: メーカー/ベンダーごとの最終発注日・最終出荷日、対象となる型番と容量、最低発注数量、そして見積もりの有効期限と再値上げ条項です。EOL進行下では見積もりが確定価格とは限らないため、数量確保と価格条件を分けて管理するのが安全です。

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