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調達・運用

Q. 2026年8月にCXMTのDDR5歩留まり90%超・Nanya7月売上が前年比+719.6%――情シスは3強以外のDRAM供給元を調達候補に加えるべき? A. 汎用DRAMで第2層・中国勢が供給源に浮上、完売化のため中身確認と早期の枠確保が前提

RAMEXperts™️ 編集部
RAMEXperts朝刊。調達・運用。主要メーカー以外の供給枠の早期完売。注目データはCXMTの世界シェアが約7%に達する。

2026年8月13日、台湾DigiTimesは、DRAMの長期契約(LTA)がSamsung・SK hynix・Micronの「3強」を超え、台湾Nanya Technologyや中国CXMTといった第2層メーカーへ広がっていると報じた。同時期の報道では、CXMTがDDR5の量産歩留まりを90%超へ引き上げ、NanyaのDRAM単体の7月売上は前年同月比+719.6%(NT$438.7億)と過去最高を更新している。3強がHBMと大口の長期契約に生産を振り向けるなか、汎用DRAMの供給源は3強前提から複線化しつつある。情シスがまず確認すべきは、自社の認定メモリモジュールに載るDRAMチップの製造元と、第2層メーカー側の割当・納期状況である。

「3強を超える長期契約」とは何か――2026年8月の変化

結論から言えば、2026年8月時点で汎用DRAMの供給勢力図はSamsung・SK hynix・Micronの3社だけでは語れなくなっている。長期契約(LTA=Long-Term Agreement)とは、数量・価格の下限・前払いなどを複数年にわたり取り決める調達契約のことである。DigiTimesによれば、このLTAがこれまでの3強に加え、NAND大手のSanDisk、台湾Nanya、中国CXMTへと拡大している。SanDiskは8月13日の投資家説明会で主要顧客8社とのLTA締結を明らかにし、Nanyaは生産の約5割が長期契約でカバーされていると報じられた。供給各社はLTAに価格の下限・前払い・テイクオアペイ(引き取り義務)を組み合わせ、数量とキャッシュフローを数年単位で固定している。

第2層・中国勢の実力とは――CXMTとNanyaの数字

第2層メーカーが調達候補になり得るかは、品質(歩留まり)と数量(生産能力・契約状況)で判断できる。報道によれば、中国CXMTは17nm世代のDDR5歩留まりを90%超へ引き上げ、Samsungの92〜93%とされる水準に接近した。歩留まりとは、投入したウエハーから良品が取れる比率のことで、高いほど安定供給とコスト競争力につながる。CXMTは2025年Q4に世界シェア約7%で4位に浮上し、受注は2027年末まで埋まっているとされ、Dell・HP・Appleがより大口の契約を求めていると報じられている。中国国内ではTencentと200億元超(約29億ドル)の複数年サーバーDRAM契約も締結した。一方、台湾NanyaはDDR4を主軸に、7月売上がNT$438.7億(前年比+719.6%、前月比+49.3%)と9カ月連続で最高を更新し、1〜7月累計も前年比+660.9%と急拡大している。DDR5は売上の約1割で立ち上げ段階、LPDDR5は2026年後半に顧客認定入りする計画で、最大107億ドルを投じるFab 5AでEUVによる10nm級DRAMを狙う。

指標CXMT(中国)Nanya(台湾)
DDR5歩留まり17nmで90%超(Samsungは92〜93%と報道)売上の約10%(立ち上げ段階)
直近の勢い世界シェア約7%・4位、受注は2027年末まで確保7月売上 NT$438.7億(前年比+719.6%)で9カ月連続最高
長期契約Tencentと複数年サーバーDRAM契約(200億元超・約29億ドル)生産の約5割が長期契約でカバー(報道)
主な用途LPDDR中心、サーバーDDRへ拡大DDR4中心、DDR5/LPDDR5を立ち上げ中

情シスへの影響とは――「3強以外に逃げれば楽になる」は本当か

結論は「部分的にはYes、ただし万能ではない」である。まず、企業サーバー向けのRDIMM構成は、サーバーOEMやCPUメーカーの認定・保証がSamsung/SK hynix/Micron製ダイを前提にしているケースが多く、第2層への切り替えは互換検証と保証条件の確認が必須になる。第2層が現実的な選択肢になりやすいのは、(1)DDR4世代のレガシー機の補修・増設、(2)クライアントPC向けの汎用モジュール、(3)LPDDRを使うモバイル/組込みだ。特にDDR4はNanyaやCXMTが主力とする領域で、3強が縮小するなか供給源として存在感を増している。ただし「3強が逼迫しているから第2層に逃げれば安く早く買える」という単純な図式は成り立たない。CXMTの受注は2027年末まで、Nanyaは生産の約半分がLTAで押さえられ、大口OEMが割当を奪い合う構図に入っている。つまり第2層も「完売化」しつつあり、規模の小さい調達者は後回しになりやすい。韓国の7月メモリ輸出が前年比+276.9%へ急増したことが示すように需要は業界全体で強く、供給源を広げても「枠の早期確保」という原則は変わらない。

2026年8月時点で、DRAMの長期契約はSamsung・SK hynix・Micronの3強を超え、台湾Nanyaや中国CXMTといった第2層メーカーへ拡大しており、汎用DRAMの供給源選定は3強前提から複線化しつつある。

情シスが確認すべき3つのポイント

  • 認定モジュールの中身を確認する:使用中/調達予定のメモリモジュールに載るDRAMダイの製造元(3強か第2層か)を型番・データシートで特定し、サーバーOEMの互換リスト(QVL)と保証条件を照合する。
  • 用途別に供給源を切り分ける:DDR4レガシー機の補修・クライアントPC・LPDDR用途は第2層(Nanya/CXMT)を候補に加え、企業サーバーRDIMMは3強+認定品を軸に、二本立てで調達先ポートフォリオを組む。
  • 第2層でも早期に枠を押さえる:CXMTは2027年末まで受注済み、Nanyaは生産の約5割がLTA済みとされるため、価格交渉より先に必要数量・納期を仮押さえし、見積りの短命化(有効期限の短縮)を前提に発注を前倒しする。

よくある質問(FAQ)

Q: 中国CXMTのDRAMを企業サーバーに使っても大丈夫?

A: 用途とリスク許容度による。CXMTはDDR5歩留まりを90%超へ高め、Tencent向けサーバーDRAMの大型契約も獲得しているが、企業向けサーバーではOEMのQVL認定・保証、地政学・輸出管理上の取り扱いを個別に確認する必要がある。現時点では汎用モジュールやDDR4補修での採用可否から検討するのが現実的である。

Q: Nanyaは何に強く、いつDDR5が本格化する?

A: NanyaはDDR4を主軸とし、DDR4補修・増設の供給源として有力である。DDR5は2026年8月時点で売上の約1割にとどまり立ち上げ段階、LPDDR5は2026年後半に顧客認定入り予定。EUVを用いる10nm級のFab 5Aは2029年までの投資計画として公表されており、本格量産の時期は投資進捗次第となる。

Q: 供給源を3強以外に広げれば価格は下がる?

A: 単純には下がらない。第2層も長期契約で生産の相当部分が埋まり、大口OEMが割当を競っているため、選択肢は増えても「安く買える」とは限らない。目的は価格低下より供給の複線化・数量確保と位置づけるのが妥当である。

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