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技術動向

Q. DDR4のラストタイムバイ期限が2026年10月〜2027年3月に迫る——手持ちDDR4サーバーの保守部材は? A. Q3に契約価格が+50%、EOL前提で保守玉確保かDDR5更改を今決める

RAMEXperts™️ 編集部
RAMEXpertsサーバーメモリニュース。技術動向。DDR4の最終購入期限が接近。注目データは8Gb DDR4契約価格が約50%上昇。

2026年9月30日時点の状況——SamsungがHBM生産能力3割への引き上げを表明

結論から言えば、DDR4のディスコン(生産終了)は前倒しで進む見通しが強まった。Samsung電子のKim Taewoo氏(Executive Vice President)は2026年9月29日、HBMがDRAMの総ウエハー生産能力に占める比率が、現状の約20%から翌年には30%近くへ高まるとの見通しを示した。HBM(High Bandwidth Memory)とは、DRAMを積層して広帯域化したAI向けメモリで、標準DRAMと同じウエハー生産能力を奪い合う関係にある。同氏は、HBM生産の拡大は標準DRAMの供給を圧迫しうると述べており、DDR4のような旧世代コモディティ品に回る生産余力はさらに細る方向にある。この一言は、DDR4の調達可能性を左右する構造要因として押さえておきたい。

DDR4のEOL・ラストタイムバイとは——生産終了の仕組み

EOL(End of Life、生産終了)とは、メーカーが特定製品の製造を打ち切る工程を指し、その直前に発注できる最終購入期限がラストタイムバイ(LTB、Last-Time-Buy)である。DDR4とは、2014年以降サーバー・PC・組込み機器で広く使われてきた第4世代のDRAM規格で、現行のDDR5の一世代前にあたる。

報道によれば、SamsungはレガシーDDR4の段階的終息を進めており、当初2025年内としていた1z世代DDR4の生産を2026年内(およそ2026年12月まで)へ延長したうえで、密度・パッケージ別のLTB期限を2026年10月〜2027年3月に設定したとされる。SK hynixもDDR4の生産終息を進めており、2026年第2四半期までに主要なDDR4生産を終える見通しと報じられている。この動きにより、Samsung・SK hynix・Micronの3大手はDDR5・LPDDR5X・HBMといった高付加価値品へ軸足を移し、DDR4の主要な供給元は台湾のNanya(南亜科技)やWinbond(華邦電子)に移りつつある。

メーカーDDR4のEOL/LTB状況(2026年9月30日時点の報道ベース)
SamsungレガシーDDR4の段階的終息を進行。当初2025年内予定の1z世代DDR4生産を2026年内(〜約2026年12月)へ延長。LTB期限は密度・パッケージ別に2026年10月〜2027年3月とされる
SK hynixDDR4を終息へ。2026年第2四半期までに主要なDDR4生産を終える見通し(DigiTimes報道)
MicronDDR5・HBMへ軸足、DDR4は縮小方向
Nanya / Winbond(台湾)DDR4の主要供給元として生産継続、需要が集中

DDR4価格の逆転がもたらす影響——16Gb品がDDR5を上回る

供給元が絞られた結果、DDR4は価格の逆転現象が起きている。2026年Q3の8Gb DDR4の契約価格は前四半期比で約50%上昇し、当初想定の10〜20%を大きく超えた。16Gb(2Gx8)のDDR4はDDR5の価格を上回る場面も出ており、旧世代が新世代より高いという通常とは逆の状態にある。

DDR4需要が根強い一因は、エンタープライズSSDのDRAMキャッシュにある。一般に1TBのNANDフラッシュあたり約1GBのDDR4/DDR3キャッシュを要し、16TBを超える大容量ドライブがデータセンターで増えるほどDDR4需要が積み上がる。消費者向けにも影響は及んでおり、DDR4メモリキットの小売価格は2026年に入って大きく上昇している。報道によれば、この逼迫は最長2年続く見通しで、TrendForceはDDR4の逼迫がDDR3・DDR2へも波及しうると指摘している。

情シスへの影響——手持ちDDR4機の保守と更改の選び方

情シスにとっての要点は、稼働中のDDR4世代サーバー・PC・組込み機器の保守部材をどう確保するかにある。DDR4を採用したIntel/AMDの旧世代プラットフォームは多くの企業で現役であり、故障交換や増設用のDIMMをLTB期限後に定価で買い足すことは難しくなる。EOL後はスポット市場に頼らざるを得ず、価格・納期・互換性(型番一致)の不確実性が一気に高まる。

取りうる選択肢は大きく2つに分かれる。1つは、LTB期限までに保守用のDDR4を必要数だけ確保し、既存機の減価償却期間を計画通り使い切る方針。もう1つは、DDR5世代への更改を前倒しし、DDR4依存から抜ける方針である。ただしDDR5やサーバー用RDIMM(Registered DIMM、サーバー向けにバッファを備えたモジュール)も逼迫下にあり、更改側の見積もり・納期にも余裕がない点は前提として押さえておきたい。どちらを選ぶにせよ、2026年9月30日時点では、後から定価で買い足せるという前提が崩れつつあることを見積もりの起点にすべきである。

情シスが確認すべき3つのポイント

  • 手持ちDDR4資産の棚卸し:稼働中サーバー・PC・組込み機器で使用中のDDR4型番・容量・搭載数を洗い出し、保守交換に必要な予備数を算定する。
  • LTB期限の逆算:採用DDR4のメーカー別LTB期限(Samsungは2026年10月〜2027年3月が目安)を確認し、期限前に保守玉を確保するか、DDR5更改へ切り替えるかを部材単位で決める。
  • 更改シナリオの並行検討:DDR5世代への更改コストと納期を見積もり、DDR4の保守在庫コストと比較する。DDR5・RDIMMも逼迫中のため、初期構成での枠確保を前提にする。

Q: DDR4はいつ買えなくなりますか?

A: 完全に入手不能になるわけではありませんが、大手のLTB期限(Samsungは密度・パッケージ別に2026年10月〜2027年3月が目安)を過ぎると、正規流通での新規手配は難しくなります。以降は台湾勢(Nanya・Winbond)の生産分やスポット市場が中心となり、価格・納期の不確実性が高まります。

Q: 手持ちのDDR4サーバーは今すぐDDR5へ更改すべきですか?

A: 一律に更改を急ぐ必要はありません。2026年9月30日時点では、減価償却期間や保守契約の残存に応じて、LTBで保守玉を確保して使い切るか、DDR5へ更改するかを部材単位で判断するのが現実的です。ただしDDR5・RDIMMも逼迫しているため、更改する場合は納期を早めに見込む必要があります。

Q: なぜ旧世代のDDR4がDDR5より高くなるのですか?

A: 大手3社がHBM・DDR5へ生産を移し、DDR4の供給元が台湾勢中心に絞られたためです。一方で組込み機器やエンタープライズSSDのキャッシュ用途などDDR4の需要は根強く、需給の逆転で16Gb DDR4がDDR5を上回る場面が生じています。

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