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調達・運用

Q. CXMTが2026年Q2に世界DRAMシェア10%へ――中国メモリは情シスの安い調達先になる? A. 64GB DDR5でSamsung超えの価格、逼迫緩和は当て込めない

RAMEXperts™️ 編集部
RAMEXpertsサーバーメモリニュース。調達・運用。CXMTがDRAM市場シェア10%に到達。注目データは64GBモジュールは基準超の価格。

CXMTが2026年Q2に世界DRAMシェア10%――何が起きたのか

2026年9月3日の報道によると、中国のDRAMメーカーCXMTが2026年第2四半期(Q2)に世界DRAM売上シェア10%に到達した。Counterpoint Researchの調査に基づく数字で、中国勢が四半期シェアで初めて2桁に乗った出来事であり、同時にSamsung・SK hynix・Micronの上位3社合計が約10年ぶりに90%を割り込んだ。アナリストが従来10%到達を2028年ごろと見込んでいたことを踏まえると、約2年前倒しの結果である。

CXMT(長鑫存儲/ChangXin Memory Technologies)とは、中国・合肥に本拠を置くDRAM専業メーカーである。同社のシェアは2023年の1%未満から、2025年Q2に4%、2026年Q1に8%、2026年Q2に10%へと段階的に伸びた。背景には、SamsungとSK hynixがAI向けHBM(高帯域幅メモリ)へウェハを振り向け、汎用(コモディティ)DRAMに生じた空白をCXMTが埋めた構図がある。上位3社の2026年Q2シェアはSamsungが38%(前年約33%)、SK hynixが25%(前年約39%)、Micronが24%とされ、HBM投資を優先したSK hynixがコモディティ領域で最も後退した点が特徴だ。

「中国メモリ=安い代替調達先」という期待は正しいのか

結論から言えば、2026年時点で中国製DRAMは価格を下げる調達先にはなっていない。逼迫下でCXMTはむしろ強気の価格を付けている。2026年7月時点の報道では、CXMTは64GB DDR5サーバーモジュールをSamsungの約1,240ドルという基準価格より高く設定し、国内の重要顧客である華為技術(Huawei)が値引きを求めても応じなかったとされる。小売の64GB DDR5-5600 RDIMM(サーバー向けのバッファ付きメモリモジュール)は約2,800ドルという水準も伝えられた。

価格が下がらない構造的な理由もある。CXMTは米国の輸出規制によりEUV(極端紫外線)露光装置を使えず、大手比でウェハ枚数を多く要するため、DDR5のコスト/ビットは3社より30%超高いと指摘される。つまり原価面で優位に立てず、需要逼迫のなかで割安販売する動機に乏しい。2026年9月時点で、中国製DRAMは逼迫市場における「安い代替品」ではなく、大手と同等かそれ以上の価格を付ける供給者へ変わっている。

情シスの調達計画への影響とは

影響の要点は、中国勢の台頭が2026〜2027年の価格緩和材料にはならず、むしろ地政学とコンプライアンスの確認項目を増やすことだ。まず供給面では、CXMT製DRAMの海外流通はなお限定的で、報道ではHP・Acerが米国外向けの一部機種に少量採用し、中国本土や一部新興国が中心とされる。Appleが評価中との報道もあるが、日本の情シスが単体モジュールとして安定的に直接調達できる段階には至っていない。

次に見落としやすいのがOEM機器経由の「混入」である。調達する完成品PC・サーバーに搭載されるDRAMの原産地やサプライヤーが、従来の3社から中国勢へ静かに置き換わり得る。性能・品質は用途次第だが、保守部材の互換性、長期供給、そして政府調達やセキュリティ調達方針との整合という観点では、仕様書・見積段階での原産地確認が実務上の論点になる。加えて、米商務長官が国内に工場を建てない企業への「的を絞ったチップ関税」を示唆するなど、供給多元化は関税・輸出規制という紐付きで進んでいる点も予算・リスク評価に織り込む必要がある。

メーカー別DRAMシェアの違い(2026年Q2)

出典で確認できた2026年Q2の売上シェアは以下の通り(Counterpoint Research調べ)。上位2社がHBMへ傾斜する一方で、CXMTがコモディティDRAMで存在感を高めた構図が読み取れる。

メーカー2026年Q2シェア前年(参考)
Samsung38%約33%(+5pt)
SK hynix25%約39%(-14pt)
Micron24%
CXMT10%4%(2025年Q2)

情シスが確認すべき3つのポイント

  • OEM製PC・サーバーのDRAM原産地とサプライヤーを見積・仕様書で明示させる。中国勢の採用拡大で搭載メモリが変わり得るため、保守互換・長期供給・セキュリティ/政府調達方針との整合を発注前に確認する。
  • 中国製DRAMを「値下げ要因」として2026〜2027年度予算に織り込まない。CXMTは64GB DDR5でSamsung基準を上回る価格を付け、コスト/ビットも大手比30%超高い。上位3社の逼迫継続を前提に計画を維持する。
  • 供給多元化は地政学リスクとセットで評価する。米国の関税示唆・輸出規制が価格と入手性に影響するため、複数ソース戦略でも「納期・コンプライアンス・保守互換」の三点を契約前に確認する。

Q: CXMTのDRAMは日本企業が直接調達できますか?

A: 2026年9月時点で法人向けの一般流通は限定的です。報道では中国本土や一部新興国が中心で、HP・Acerが米国外向けの一部機種に少量採用している段階です。日本の情シスが単体モジュールとして安定的に直接調達できる状況にはまだ至っていません。

Q: 中国メモリの台頭でDRAM価格は下がりますか?

A: 2026年時点では下がっていません。CXMTは64GB DDR5サーバーモジュールでSamsungの約1,240ドル基準を上回る価格を付け、EUV非対応によりコスト/ビットも大手比30%超高い状態です。逼迫緩和や値下げは当て込めません。

Q: OEM製PCに中国製DRAMが入っていたら問題ですか?

A: 性能・品質は用途次第ですが、原産地・保守部材の長期供給・セキュリティ調達方針の観点で確認が必要です。仕様書や見積でサプライヤーと原産地を明示させるのが実務的な対応になります。

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